シンガポールに限らず、海外に移住して必ずやらないといけないことの一つに、「現地の銀行口座開設」があります。
給与の受け取りや公共料金の支払い、日々の買い物の支払いに使うクレジットカードやデビットカードの引き落とし口座としても必ず必要になります。
今回は、シンガポールで銀行口座をつくる方法と私の体験を紹介します。
口座をつくる銀行を決める
まずはどこの銀行で口座を開設するか決めます。
個人的なおすすめは、シンガポールの主要銀行である、DBS、OCBC(Oversea-Chinese Banking Corporation)、UOB(United Overseas Bank)の3つです。
日本のメガバンクもシンガポールに支店を持っていますが、やはり、現地の銀行口座あるとなにかと便利だと思います。
DBS Bank (DBS銀行)
- 東南アジアで最大規模の銀行、世界18カ国に展開
- 前身はシンガポール政府が設立したシンガポール開発銀行(The Deveopment Bank of Singapore Limited)
- 『World’s Best Bank 2021』にも選ばれている
OCBC(オーバーシー・チャイニーズ銀行)
- 世界19カ国に470以上の支店・事業所を持つ
- シンガポール3大銀行のなかでも最も長い歴史を持つ銀行
UOB(ユナイテッド・オーバーシーズ銀行)
- 世界19カ国に500以上の支店・事業所を持つ
- 日本政府金融公庫や日本の地方銀行と業務提携を行っている
3大銀行ならぶっちゃけどこでもいい?
個人的な感想ですが、この3つのうちの1つの銀行で口座を持っていれば、シンガポールで生活するには困ることはないと思います。
この3つの銀行は、ATMの数や金利もほぼ同じくらいなので、勤めている会社の給与受け取りの指定銀行になっているとか、自宅やオフィスの近くに支店があるといった理由で決めてもいいかもしれません。
私は会社の法人口座がUOBだったので、なんとなくUOBにしました。日常生活で使用する銀行口座としては、UOBの普通口座1つでしたが、なんの不自由もなく生活できています。(これ以外に、投資用の証券会社の口座は別でつくりました。その話もそのうち書きます。)
銀行口座開設に必要な書類と現金を準備する
口座を開設する銀行をきめたら、実際に銀行に行く前に、口座開設に必要な書類と現金(最初に預けるお金)を準備しましょう。
念のために、銀行のホームページなどでご確認されることをおすすめしますが、基本的に必要な書類はどの銀行でも同じだと思います。
銀行に行く前に準備するもの
- パスポート
外国人がシンガポールで銀行口座を開設するためには、パスポートが必要になります。 - シンガポールの滞在許可証
就労許可証(Employment PassやS Pass)や配偶者・家族ビザ(Dependant’s Pass)、学生ビザ(Student Pass)など、合法的にシンガポールに滞在していることを証明するために、滞在許可証が必要になります。
就労許可証が手元に届いていない場合は、労働許可申請が承認済のことを示すIPA(In Principal Approval)でも口座開設できるかもしれませんが、ダメな可能性も十分ありますので、滞在許可証が手元に届いてから口座開設しに行った方がいいと思います。 - 住所証明書類
届出住所に本人が本当に住んでいることを証明するための書類が必要になります。口座開設者の氏名と住所が記載されたものが必要になります。
SP(電気・ガス・水道サービス)や電話料金の請求書などがあればOKです。 - 最低預金額分の現金(1,000SGD程度)
シンガポールの多くの銀行では、普通預金口座には最低預金額が設定されており、預金残高がこの金額を下回ると、毎月、口座維持手数料が取られます。最低預金金額は1,000SGD程度のところが多いので、それくらいの現金を用意して、口座開設に行っていただくのがいいと思います。
銀行に行って口座開設の手続きをする
必要書類が揃ったら、実際に銀行に行って、口座開設をしましょう。
シンガポール国籍の方なら、オンラインでも口座開設できると聞きましたが、私たち外国人の場合は、必要書類や口座開設の条件がやや複雑なので、直接窓口に行くのが手っ取り早いでしょう。
銀行に着くと、多くの場合は、コンシェルジュみたいな人がいて、要件を聞かれるので、「Personal Banking Accountを作りたい」と伝えましょう。
そうすると、個人顧客用の窓口に案内してもらえると思います。
口座開設の手続き自体は、必要書類に問題がなければ20分くらいで完了すると思います。
UOBの場合は、キャッシュカードもその場で発行してくれました。UOBの場合は、VISAとMasterのデビット昨日が追加カードを1枚ずつ、計2枚発行してくれました。
クレジットカードや投資用口座も紹介してくれる
おそらくどこの銀行でも、普通預金の口座開設と一緒に、クレジットカードの発行や、投資用口座の開設も勧めてくれます。
各銀行指定のクレジットカードには、利用額に応じたキャッシュバックなど、お得な特典がたくさんついているようです。
私は、クレジットカードをいっぱい持つのは嫌だったので、いったんデビットカード(キャッシュカード)だけにしましたが、クレジットカードを計画的に使える方ならお勧めできると思います。
投資用口座も、日本ではありえないくらい金利の高い商品があるのですが、目先の現金に余裕がないので、説明だけ聞いて断りました。
ただ、日本に比べて本当に金利がいいのと、シンガポールの3大銀行は、世界的にも安全と評価されているので、投資用の口座も、お金に余裕があれば、作ってみてもいいと思いました。
意外な落とし穴に注意
DP(Dependant’s Pass)ホルダーは要注意?!
私の妻(DPホルダー)が口座開設しようとしたときに、公共料金などの契約がすべて私名義で、妻名義の郵便物が全くなく、届出住所に本人が住んでいる証明書類が用意できませんでした。
唯一、携帯電話のみ妻自身の名義にしていたのですが、請求書がメールで送られてきていたので、銀行窓口で携帯の画面を見せたところ、紙に印刷が必要、かつ、コンドミニアム名が省略された住所表記だったので、フルで住所表記されていないからダメと、口座開設を断られました。
DPホルダーの方や、公共料金の契約がご家族の別の方名義になっている場合は、注意が必要です。
アンケートの回答にも注意?!
口座開設すると、当日だか翌日に、メールで「窓口の対応はいかかでしたか?」みたいなアンケートが来ました。
窓口の対応はスムーズで、いろいろ丁寧に教えてくれたので、すべて高評価にしておき、最後の質問で、「何か私たちの銀行で改善できることはないでしょうか?」みたいな項目があったので、冗談で「エアコンが効きすぎて寒かった」と記入して回答しました。
すると、後日、知らない電話番号から着信があり、出てみると、UOBのカスタマーセンターみたいなところからでした。
その担当者から、「エアコンが強すぎて不快な思いをさせて申し訳ございません。ただ、天井が高い建物で、温度調整が難しいので、暑くならないように強めの設定にしなといけないことを理解してほしい」と言われました。
「OK、OK」と言うと、「この電話をもって今回のクレーム対応はクローズしていいですが?」と聞かれたので、そもそも冗談やし、クレームでも何でもないよと思いながら、「No problem」と相手のトーンに合わせてシリアスに言っておきました。
まさかこんなことになるとは思いもよらず、アンケートに冗談を書いては行けないと反省しました。
まとめ
シンガポールで銀行口座を作る場合は、
- 口座を作りたい銀行を決める
- 必要書類を準備する
- 銀行に行く
- アンケートには余計なことを書かない
という手順で進めてみてください。
これからシンガポールで銀行口座を開設しようとされている方の参考になれば幸いです。